SNSなどでよく目にする誤った日本語

僕は字幕制作会社で働いています。
平たく言うと間違った日本語を正してお金をもらってる。

だからtwitterやfacebookなどのSNSを見てるとすごく気になるんですよね(笑)。
いろんな言い回しがあっていいし、言葉遊びは僕もしますけど、
それは「言葉は正しく使うべきだ」っていう前提があって初めて成り立ち、楽しめることであってね。

言葉の誤用を指摘すると「言葉は時代と共に変化していくものだ」って言い返されることがあります。
賢いこと言ってるつもりかもしれないけど、バカ丸出しだからやめといたほうがいいよ。
だからって誤用だろうが何だろうが許容だってしてたら、
言葉がコミュニケーションの手段として意味を成さなくなる。

知らないのは仕方ないと思います。
俺も知らないことだらけだし、まだまだ勉強中。
それこそ言葉はどんどん生まれてくるから、マスターなんてことはできないわけで。
ただ「正しく使うべきだ」って意識と姿勢があるかどうかですよね。
大事なのは。
「何でもいい」、「どうでもいい」はダメ。

あ、ダメってことはないか。
自分がそうしたいならすればいいけど、
それで面白いこと言おうとしたり、言葉で意思や感情を伝えようと思ってるならそれは無理な話。
言葉に対して誠実な者のみが、言葉の恩恵を受けられる。



はい、また前置きが長くなりました(笑)。
今日はよく見る誤用の中でも特に気になるものを3つ挙げるので、
興味のある方は読んでみてください。


◼○○なさそう、○○なそう

動詞の打ち消しは、「ない」を「ぬ」に置き換えた形があり得る。
 「つまらない」→「つまらぬ」○→「つまらなそう」
 「すまない」→「すまぬ」○→「すまなそう」

形容詞の「ない」は「ぬ」に置き換えられない。
 「申し訳ない」→「申し訳ぬ」×→「申し訳な【さ】そう」
 「頼りない」→「頼りぬ」×→「頼りな【さ】そう」
 「やるせない」→「やるせぬ」×→「やるせな【さ】そう」

※「ぬ」にできないものには「さ」を足して補うと覚える


◼~していただく、~してくださる

×本日はお越しいただき誠にありがとうございます
○本日はお越しくださり誠にありがとうございます

「~いただく」は謙譲語、「~くださる」は尊敬語なので、前者は自分が主体、後者は相手が主体。
例文の場合は相手の行動に対してお礼を言っているので、相手の行動を上げるのが正しい。

敬意を含まない「基本語」に戻して考えると分かりやすい。

本日はお越しいただき誠にありがとうございます
→「今日は来てもらって本当にありがとう」

本日はお越しくださり誠にありがとうございます
→「今日は来てくれて本当にありがとう」

「来てもらってありがとう」とは言わないので、敬意を含んだ場合にそこが変化するのは誤り。


◼「に抜き表現」について

(例文)
斉藤さんに連絡を取って、先日の質問は返答を頂いた

この文章でおかしいのは「質問は」の部分。
「質問は」ではなく、「質問『に』は」が正しい。

「質問」と「返答」をつなげるのは格助詞(文の中での意味関係を表す)の「に」で、「質問に返答を」がもともとの形。
そこに係助詞(ついた語に意味を添えて強調)の「は」が足された形なので、「は」が入った代わりに「に」を取ってしまうのは誤り。


●僕は離婚経験があるんです→僕には離婚経験があるんです
※「僕は」とするのであれば、「僕は離婚経験者です」

●女性が誘うのは勇気がいるの→女性が誘うのには勇気がいるの
※「誘うのは」とするのであれば、「女性が誘うのは勇気がいることなの」

●これから始まる愛も臆病になってる愛も片思いも不安は付き物だ
→これから始まる愛にも臆病になってる愛にも片思いにも不安は付き物だ
※「愛も」、「片思いも」とするのであれば、
「これから始まる愛も臆病になってる愛も片思いも不安が付いてまわるものだ」
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by kimjiyoung | 2013-09-13 09:14 | 雑記・エッセイ | Comments(0)

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